今回はヘコアユという魚についての紹介だ。
わ、細い!そして縦!
一体どんな魚なのか、なぜ逆立ちしているのか、そして見られる水族館もお伝えしていくぞ。
ヘコアユの生態
ヘコアユはタツノオトシゴに近い仲間
ヘコアユ
分類 :トゲウオ目 ヘコアユ科 ヘコアユ属
生息地:インド洋と大西洋西部のサンゴ礁域、日本では相模湾以南
食べ物:動物プランクトン
全長:15cm
トゲウオ目に分類される皆さんのよく知る魚にタツノオトシゴが挙げられます。
姿は全然違いますが、一癖も二癖もある見た目や口が細長いという点では近しいものを感じますね。
独特な泳ぎ方も似ていてヘコアユは頭を下に下げて泳ぎますがタツノオトシゴは頭を上にして泳ぎます。
また、ヘコアユには鱗がありません。
代わりに甲板と呼ばれるエビのような固い板で覆われており、その固さは身体を一切曲げることができないほどです。
そのため、透明の小さなひれを細かく動かして自由自在に動かします。
食事はそのストローのような口を使って動物プランクトンを吸うように食べています。
「インド洋 1」水槽のヘコアユは頭を下にして、ヒラリヒラリと泳いでいます。
— 葛西臨海水族園[公式] (@KasaiSuizokuen) 2017年11月20日
細長い口を使って動物プランクトンを吸い込むようにして食べます。
タチウオと似た泳ぎをしているように見えます。ところが、姿勢やひれの使い方、口の形などをよく観察すると様々な違いが見えてきます。#かさりん pic.twitter.com/Zb0CL2onEx
名前の由来
名前にアユと付いていますが川魚のアユとは一切関係ありません。
ヘコは反対、逆さま、アユは歩くという意味でヘコアユという名前が付けられたと言われています。
ヘコアユは頭を下げることで前ではなく後ろ側に進んで泳ぐのです。
逆立ちして泳ぐ理由
逆立ちで泳ぐ魚#鴨川シーワールド #ヘコアユ pic.twitter.com/a4OMTrtKqj
— キロ🐾 (@kr_tanulf) 2020年9月10日
ヘコアユはこのように群れて縦に並んで泳いでおります。
なぜわざわざ逆立ちして泳ぐのか、それは自分の姿を隠すためと考えられます。
ヘコアユはその薄く平べったい身体を縦向きにすることでアマモやスガモなどの海藻の枯葉に紛れ込みます。
またウニの仲間であるガンガゼの長く強力な毒を持つ棘の隙間に入り込むことで自分の身を守ります。
さらにその厚みのない身体は敵にお腹または背中を向けてしまえば1本の線にしか見えません。
こうして身体を薄くすることで自らの存在を気づきにくくさせているのです。
ヘコアユの必殺技
逆立ちすることに特化した体つきでかくれんぼ名人になったヘコアユですが、この状態では素早く泳ぐことはできません。
もしも敵に見つかってしまえば為す術もなく食べられてしまいそうです。
ところがどっこい、ヘコアユにはとっておきの技を持っているんだぜ。
ヘコアユのとっておきの技、それは……。
横向きで逃げる!!
横になれるんかーい!
逆立ちのプロのヘコアユですが、敵に襲われたときは通常の魚と同様に横向きでスイスイ泳ぎます。
そちらの方が圧倒的に速いのです。
普通の魚の泳ぎ方がヘコアユにとって最終手段というのがとても面白いですよね。
敵から上手く逃げ切れれば再び逆立ちを開始します。
それくらいヘコアユにとっては逆立ちが性に合っているようです。
ヘコアユを見られる水族館
2020年9月18日時点で日本動物園水族館協会に加盟しているヘコアユを展示している水族館は以下の通りです。
- おたる水族館(北海道)
- サンピアザ水族館(北海道)
- 登別マリンパークニクス(北海道)
- アクアマリンふくしま(福島県)
- なかがわ水遊園(栃木県)
- 鴨川シーワールド(千葉県)
- 葛西臨海水族園(東京都)
- しながわ水族館(東京都)
- アクアパーク品川(東京都)
- 新潟市水族館マリンピア日本海(新潟県)
- 寺泊水族博物館(新潟県)
- 東海大海洋科学博物館(静岡県)
- 南知多ビーチランド(愛知県)
- 名古屋港水族館(愛知県)
- 丹後魚っ知館(京都府)
- 鳥羽水族館(三重県)
- 志摩マリンランド(三重県)
- NIFREL(大阪府)
- 須磨海浜水族園(兵庫県)
- しまね海洋館(島根県)
- 宮島水族館(広島県)
- マリンワールド海の中道(福岡県)
- いおワールドかごしま水族館(鹿児島県)
- 沖縄美ら海水族館(沖縄県)
わわ、色んな所で見られるじゃん!
ヘコアユは全国の水族館で見られる身近な魚だぞ。
ヘコアユの面白い泳ぎ方をぜひご自身の目でご覧ください!
(時期によっては展示を中止・終了、または別施設で展示を開始している場合もございます)
まとめ
以上、ヘコアユについての紹介でした。
逆立ちしているというインパクトに目を奪われがちですが、そのための身体の構造もとてもユニークです。
群れの仲間と一緒に泳ぐ姿やひれの使い方などをぜひその目で見てみてくださいね。
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